木曜日 3月6日

5時40分に起床。晴。東の山の端に明星。風邪を引いたらしく、喉に少し痛みがあります。

 

昨夜、金谷武洋の『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ)を読み終わりました。私たちが受けた国語教育における日本語文法が根本において誤っていることを指摘している、と言うべき内容でした。明治以後の文明開化の折、英語等の文法用語を日本語の文法に強引に当て嵌めようとしたこと(脱亜入欧思想?)によって引き起こされている諸々の問題の指摘、でしょうか。結論的には、

  「愛らしい」「赤ん坊だ」「泣いた」

という3種類の基本文で日本語は充分、と言うことのようです。名詞文・形容詞文・動詞文の3種類なのですが、納得をさせられました。俳人としては、助詞「は」の問題と、自動詞・他動詞の問題とは、詠む・読むの場において、これから深く考えていかねばならないことと思いました。

それにしても、フリッツ・マウトナーの「文法の誤りなどというものは、文法が発明される以前にはまったくなかった」という言葉を今更ながらに思いました。マウトナーの真意は解りませんが、文法があって日本語があるのではない、と信じてきた者にとって、別の角度からの傍証にはなったようです。